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フランス国家審査員試験、とDAFAについて思うこと

最近では、日本でもフランスのDAFA(ダファ)資格がずいぶんと
ポピュラーになっているようです。
私も日本の教室ではDAFAレッスンを用意していましたが、ちょうど
この資格がメジャーになりかけた2007年に結婚・渡仏したので、
これほどまでに日本人受験者が急激に増えるとは思ってもみませ
んでした。
それには、DAFA(ダファ)が無名だったころから、教え続けられた
先生方の努力も大きかったと思うのですが、フランスで暮らしたり、
こちらの学校に来なければ、ほとんど知られるはずのない資格が
ここまで取り上げられるようになったのは、やはり、日本人の資格
に対する意識、そして新しいものを常に探すところからきたのだと
感じます。
大勢の方が興味をもち、取得したい!と希望されるのは、喜ばしい
ことですが、同時に、取り締まったり規制をかけるところがないせい
か、「DAFA資格取得」とのみ経歴に書くこともよくあることのようで、
習われる生徒さんには、きちんとした内容が伝わっているのかどう
か・・・と心配な部分もあります。

本来は3回の試験に合格した後(植物学-ボタニック-を含む)に、
観衆の前でデモンストレーションをして初めて、
「ディプロメ(=資格保持者)、デモンストレーター」
として認められるものです。(詳しくはこちら←*下記参照
フランス園芸協会のDAFAの規定書にも
DAFA1取得でアシスタント補佐資格、DAFA2取得でアシスタント
資格、DAFA3取得で教師資格が得られる

と明記されています。
DAFA2まではまだ、フランスでは、正式な教師として認められない
のです。

私が受験したとき(2005年)もそうでしたが、試験に臨むフランス人
の先生方は、かなりのベテランばかりでした。私は教え初めて2年目、
「ああ、この資格には、経験も必要なのだ」と感じました。それと比べ
ると、日本人は資格をとってからキャリアが始まる、というのが常識
のようで、教えるかどうかも分からないけれど、とにかく、資格がとり
たい!と受けられる方も多いようです。

書いていて思ったのですが、なんだか、このDAFA(ダファ)に対する
フランス人と日本人の認識の違いは、まるで結婚に対する感覚の違
いとそっくり!こちらのカップルはすぐに結婚せず、事実婚で何年も
過ごした後、何人も子供ができてから「この人と生きていくわ!」としっ
かり決めてから結婚の手続きをとられることが多く、そのまま事実婚
で終わるカップルもたくさんいるのに対し、日本は、きちんと手続きを
踏んでから、結婚生活が始まり・・・(ので、結婚してからの齟齬もある
危険性が高い?!)ますよね。

今は、受験に通訳もついて(私のときは、心配されたフランス園芸協会
のほうで、頼んでおいて下さいましたが、息切れしたモダンブーケ以外
は、フランス語で通し、ボタニックは当然フランス語オンリー)、語学の
面では、門戸も大きく開かれ、確かにお金も時間も節約できます。
けれど・・・お花と関係ないと思われるかもしれませんが、語学は文化
とつながるもので、つたなくても、難しくても、少しでも話せることによ
って、フランス人の本来の生活というものが、見えてくると思うのです。
DAFAで、難しいところは、日本人にはない、フランス人独自の感覚
です。美的感覚、といった方がいいでしょうか。
よほど器用な人でないかぎり、短期間こちらで勉強しただけで、それを
見分けるのは至難の業だと思います。

もちろん、習われる先生との相性、DAFA以外にも資格をもって色々
勉強されている先生も多いようですし、カタイこと言わなくたって、フラ
ンスまでこなくても勉強できて、受験も日本語で、いいじゃない!!
ってことも言えるのでしょうが・・・

今回、フランス国家審査員試験をうけ(詳しくはこちらで)、同じようなこと
を感じてしまいました。
審査員の覚書(memento)にも、「bon vocabulaire」(=ボキャブ
ラリー、語彙を豊富に)や、「知識の研鑽」などといった言葉が記されて
います(試験のオーラルでは、もちろんフランス語で答えました)。
DAFA資格も、生徒に教えることが前提、きちんとした解説ができなけ
ればいけない、ということですが、審査の場合も、テーマの理解を踏ま
えた上で、選んだ理由を納得がいくように説明しなければならない。
フランス人なら、当たり前の知識でも、私たち日本人にはない。それを
補っていかないと、フラワーアレンジメントにも反映されない。

今は、レッスンも休止中、そしてフランス語も、歴史などの常識もまだ
まだの私が言えることではないと思いつつ、何もかもが日本よりになっ
てしまったら、本来のDAFA(ダファ)の持つ意味は変わってしまうの
ではないか・・・と危惧する気持ちも大きいです。

*上記、DAFAの詳細について、以前教室HPに掲載していた
記述にリンクしていましたが、HPを2017年夏に閉鎖した
ため、表示されません。

Commented at 2014-11-14 14:28 x
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented by aplusfleurs at 2014-11-15 09:57
今頃いらっしゃってるだろうなあと思ってました♪お忙しいのにありがとうございます!生徒の皆さんのご健闘お祈りしてます。
by aplusfleurs | 2010-10-31 07:07 | フラワーアレンジメント | Comments(2)

フランスでの生活、お花の話を中心に、のはずが、最近は育児日記に;2009年サンクルーへ引越し、2014年3月夫の転職により日本へ。2010年10月フラワーアレンジメントのフランス国家審査員資格合格♪


by aplusfleurs