ブルターニュ・続編
2011年 07月 08日
今回、お天気に恵まれ、私も海水浴に初挑戦。
30度を超えても湿度が低く、体感日本の6月くらいなので、
海に入ったのは一日だけ; 水も冷たいし。
身体をつけるだけで15分以上かかり、見知らぬマダムにも
「入ってしまえば大丈夫よ!」
と声をかけられる始末;
近所にはいくつかビーチがあり、最終、見渡す限り海、背後は
ヒースの生えた丘が続くところに落ち着きましたが、風がびゅー
びゅー吹いて、ウインドサーフィンに最適なところ(実際、毎回
サーファーの人がいて、波間にあっというまに消えていった)で、
昨年同様、夫と義母が泳ぎ、息子は波打ち際で遊び、私は見学
でした。。。(海の画像、こうして見ると、ほとんど昨年と変わらずですね;)
紀元前の住居跡など遺跡を回り・・・
お城や教会を見学。
近所の海沿いの散歩コースは、ミュール(桑の実と訳されてたり
しますが、たぶん木いちごに近い)の藪が壁のようになっていま
した。こんな感じ↓
ミュールの藪、花。花はイチゴの花に似ていて、ピンクがかって
いてかわいい。
まだ熟す前の、グリーンの実がいっぱいなっていました。これ、
熟しても、きっと鳥たちが食べるだけなんだろうなあ・・・
滞在したアルゾンは、ブルターニュ半島の突き出した南下の
根っこあたりにあり、海も湾になっているところ、大西洋側と、
まったく趣きが違います。
湾に面していたら、水温も高めで波もないですが、海草などが
流れついたまま、地面も粘っているし、海水浴しようという気に
なれない感じ。
気候は冬でも温暖だそうで、巨大な松やミモザがあちこちに。
徒歩や自転車で、景色を楽しみ、遺跡を巡る人も多かったです。
自然を楽しむには最高!なのですが、昔から小麦がとれず、そば
(→ブルターニュ名物のガレット=そば粉のクレープ)やりんごが
とれるだけで、貧しい土地とみなされ、そのせいか、食事はもっぱら
家で、レストランに出かけるという習慣がないのだとか。
確かに、2軒、クレープリーで食べたガレットは最高!でもレストラン
では・・・いまいち。
たまたまかもしれませんが、毎年いくノルマンディーでは、普通の
カフェでもかなりおいしいので、土地柄というのはあるのかも。
私は昔からシードル(りんご酒)が好きで、毎回おいしいシードルに
ありつけて、うれしかったです。
さてさて、前回書いた、問題のジッドですが・・・
到着した日は、朝がちょっと早めで、お弁当づくりで疲れていて、
ぐっすり眠れるかと思いきや、なぜか夜中に目が覚め、夫のいびき
に邪魔されて、なかなか寝付けず。
このときも、眠たい頭で、
「なんだか、いびきの音にくっついて、へんな音(声)が聞こえる気が
するなあ・・・」
と感じてました。なんだか、もにゃもにゃ、人の声でなく、もっと早口
の声のような音のようなものがくっついてる感じ。そして、二晩目。
眠っていたのに、またもや目が覚めました。
「どーん。どーん。」
と、寝室のドアをたたく音。風とか、自然の音でなく(その日は風も
吹いてなかった)、人の手でたたく音でもなく・・・ちょうど、じゃが芋
や野菜をいれた、少し重量感のある袋でたたいてる感じ。時計を
みれば、夜中の3時すぎ。となりの、義母とお客様が寝ている部屋
のドアも同じようにたたく音がします。
ヒエーッ!「ちょっと、ちょっと、これ何の音?」と即座に夫を起こし
たのに、
「何?うーん・・・何の音かわからない・・・」
とまた寝てしまいました;;
結局、朝方4時まで、1時間、ずーっと断続的にドアはたたかれ、
最後はなにやらトイレにはいって、「ジャー」(トイレの音ではない)
と聞こえ、音は止みました・・・。
あれだけ大きな音だったのに、義母も気づかなかったとのこと。
夫も義母もそういうことは信じないタイプなので、次の晩からどう
やって寝よう・・・と悩んだ私。とくに、霊感が強いタイプでもなかった
のですが、最初のフランス滞在時から、身を守ろうとする感覚が
発達したのか、動物的というか、何となく、感じることはあるものの、
今回の怪音のようなのは初めて。
「家の魂(霊)かもね~。部屋に入れずにいたのなら、今晩は私の
寝室のドアを開けておくわ」
と義母に言われ、私もそう思っていたので、こちらの寝室のドアも
開けることに。また、お約束のように夜中に目覚め、怖さに絶えられ
ず、枕元の電気をつけてしまい、夫も寝不足。
次の晩は、苦肉の策で、廊下の電気をつけ、部屋はつけずにドアを
開けて寝たら、今度は義母が寝られず。
・・・と、夜安眠できなくて(毎晩夜中2時頃目が覚めた)、私以外は
そういう感覚の人たちじゃなく、なんだか疲れてしまいました・・・。
私一人なら、どこか別のとこへ即行ってたと思うのですが、そうも
できず。
幸い、その後は怪音はなくなったけれど、私も義母も、幻影(私は
息子と昼寝のあと、義母が隣の寝室へ入っていくところ(そのとき
義母は外にいた)、義母は、朝夫がまだベッドにいるときに、夫が
階段を上り下りする姿)を見たので、やはりちょっとおかしいところ
だったと思います。
元農場で、家に隣接して小屋が建っていたので、そのせいかな・・
なんて考えたり。
家へ帰ってうれしかったのは、
「これで安心して寝られる!」
ということでした;
フランスでジッドは一般的だけど、こういうトラブル(?)ってないの
かな?ブルターニュは、昔から妖精や精霊の話が多いそうで、
遺跡も多いので、そういうことも多いのかなあと思ったりしました。
この辺は、海に近く、漁師をしている人が大半だったのか、航海の
安全を願って、家の壁にはマリア様がよくいます。
家のスタイルは私好みでかわいく、白壁に、ブルーの窓枠や屋根
が印象的な家が多いのですが、このジッドのマリア様はなんだか
前のめりになって、落ちそうな感じだったので(上の写真は近所の
ジッド)、そのせい?・・・
などと、しょーもないことであれこれ考えを巡らせ。
でも、夫や義母にとっては、私の思い込み(風が吹いて、ドアが
がたがたしたのを、勘違い)と疑われている節がなきにしもあらず
で、怖い思いもしたのに、信じてもらえなくって、くやしい~!
このジッドは、近所に親戚がいて、とても便利だったのですが、
この出来事のおかげで、今回のバカンスの印象は台無し;でした。
おまけ、その、親戚のお家での食事のときと、本物のロウソクを
つけた、何百年もののシャンデリア。
ここのお家には、沢山の絵があり、日本の浮世絵、そしてあの、
フジタ(藤田 嗣治)の本物の絵もあり、感激でした。