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息子のことばの成長〜続バイリンガル〜

今日は秋晴れ、いいお天気。空気は冷たいのに、何だか
数日前より太陽の光がものすごく強く感じます。
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息子のことばの状況、前回書きましたが、常日頃日仏語に
ついて色々考えているせいか、力が入ってしまいました。
というのも、よく人から言われるのが(日仏問わず)

「じゃ、彼はバイリンガルね〜」
「両方話せて、いいね〜」


という言葉。いやいや、そうでもないんですよ・・といちいち
答える訳にもいかず、「なかなかですけど・・・」と言葉を濁す。
私自身、全然海外と縁のなかったころは、そう思っていたし、
日本で活躍されているハーフの方も多くなり、そういう人達の
多くはほんとに両言語巧みに操られているので(ほんと、どう
やってここまで、というくらい素晴らしい)、そう思われても
当然かと思います。
でも、実際の在仏の子供達の現状、息子との実生活を顧みる
と、かなり想像とは違う。
ということで、前回思うように書けなかったところ、補足です。

今、息子は、生活の中でぐんぐんと日本語を吸収しています。
フランスでも私は家でずっと日本語(関西弁)を息子に話し続け
ていたのに、言葉の面で成長が遅かった彼。
私がフランス語を話し、理解することも知っていたので、私の
日本語の質問にフランス語で答える・・・という形に落ち着いて
しまっていました。
日仏カップルで、真剣にこれを回避しようとする場合、又は
親御さんが日本語にきちんと対応されているときは、小さい頃
から、日本語を話す片親はフランス語を理解できないという
態度を貫き、日本語で答えるよう習慣をつけさせるようです。

私の場合、ギャルドリー・幼稚園・ご近所に日本人はいず、必然
的にそういう場では私が仏語を話さないといけなかったため、
息子の前だけ「話せない」ふりをするのは不可能。
息子も、仏語にしろ日本語にしろ、かなり言葉が遅くて、片言が
出て来た時点でギャルドリーに入ったせいか、話し始めた日本語
も仏語に変換されてしまいました;

そこで、日本語教育を徹底するより、本人の“話したい”気持ちを
優先。もしかしたら、それは必要ないばらの道を避けた・・・と
言えるかもしれないけれど、言葉が出ない苛立ちというか、もやもや
したものがこちらにも伝わって来ていて、せっかく出た言葉を「それ
は違うよ」とか「日本語でないとダメ」と否定するのは、子供の自信
を奪うような気がしたからです。

まずは、自分の気持ちをスムーズに伝えることが第一で、日本語も
フランス語も、嫌いにならずに、好きになる可能性を残したい・・・

子供の性格、親の性格、いろいろあると思うので、どの方法が1番
なんて誰にも言えないとするなら、親の自分が信じる方法をとるしか
ない。

ということで、息子には何の強制もしていませんでした。
自己主張が強く、感情の表現がはっきりしているフランス人の子供
達の中で、どちらかと言えば日本人的な、感情表現のへたな息子は、
ギャルドリーや幼稚園でもどこか遠慮していて、何とかそこにおさ
まるように、周りを見ている感じがいつもしていました。ようやく
幼稚園の年長クラスに入って、周りのお友達と対等に言葉掛けをし、
主張を始められたなとほっとしていたところで、日本へ。

・・・本当のことを言えば、片言や変な造語(息子語、と夫婦で
呼んでいた、「エスカルゴ」=「エッカルゴ」、「あんぱんまん」=
「あんまん」など)は何ともいえず可愛らしく、それを楽しんでいた
かった、というのが第一です。時間がたてば徐々に自分で修正して
いくだろう、そしたらこれが聞けなくなる・・・と。
今のところ、まだまだ息子ことばは存続中。彼の、フランス語で鍛え
られた(?)耳には、私が「こうじゃない?」と訂正しても、

「ち・が・う!」

とつよ〜く否定するくらい、日本語が違う音で聞こえるらしいのです。
「〜なの?」は「〜だの?」、「幼稚園の帽子」は「帽子の幼稚園」・・・
「〜の〜」はとくに感覚が掴みにくいらしく、何度こちらがさりげなく
言い直しても、そのまま。フランス語でもそういう“勘違い”言葉は長く
間違えていたので、これも時間との勝負かな、と思います。
私は「〜だの?」がお気に入り(?)。
幼稚園では標準語を聞いているせいか、私が馴染みのない「〜じゃん!」
や「〜でしょ!」も違和感なく取り入れ、こちらが圧倒されるくらい
なのですが・・・

面白いことに、今まで私の関西弁を聞いていても、息子はまったくと
いっていいほど、日本語で話すときも関西弁は使えず、ところどころ
興味がある言葉に反応する程度で(私が面白がって使っていた「えらい
こっちゃ」とか語尾の「〜やわ〜」とか)、自分で使うことはなかった
のに、最近になって私の言葉を真似するようになりました;
ふとした拍子に出てくる、変な調子の関西弁。

疲れたわ〜(関西弁のイントネーションに似せて)

笑ってしまいます。
色々な日本語に接する機会(幼稚園、テレビや外出先、私のお友達
など)が増えて、頭の中の整理がついて、ようやく応用できるように
なったんだなあと思います。

まだまだ同い年の子供のレベルには追いついてないなと感じることも
あるけれど、本人はとくにそれをコンプレックスとは思ってないことが
私にとっては救いです。
今は、小学校入学とともに比重が日本語に完全にうつってしまわない
よう、フランス語を先生に習いに行っています。
フランス政府から送られてくる、通信教育も始め、週末には夫が教え
て、私が普通の日は最低限のチェックをする・・・というペース。

このまま、両方の言語を好きに、そして上達するように・・・なんとか
息子の気持ちを支えていきたいなと思う毎日。
by aplusfleurs | 2014-10-08 23:00 | 出産・子育て | Comments(0)

フランスでの生活、お花の話を中心に、のはずが、最近は育児日記に;2009年サンクルーへ引越し、2014年3月夫の転職により日本へ。2010年10月フラワーアレンジメントのフランス国家審査員資格合格♪


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