時間がとられること②

前回、つらつらと思いつくままに日仏の生活の違いを
書きましたが、自分でも知らない間に日本の習慣を忘れ(?)
フランスナイズされていたことが・・・。

それは、お料理にペティナイフを使うこと。
あちらでも、包丁は使われているものの、日本で普通に
揃えるような、出刃包丁、菜切り包丁・・・といったような
大きな包丁は普通の家庭ではほとんど使いません。
まな板もあまり使わず、野菜などは手の中で切ってしまう。

説明しづらいですが、果物の皮をむいたあと、例えば桃
など、手にもって、実を切ったりしますよね。
あの感覚で、手の中でコチョコチョと切ってしまうのです。
ジャガイモ、人参、にんにく、、etc.

1番最初にそれを体験したのが、最初の下宿先を仲介
してくれたフランス人ご夫婦の奥さんがお昼ご飯に招待
してくれたとき。
早く着いて、お料理のお手伝いをしたのですが、彼女が
作っていたのが、リンゴと胡桃とフロマージュのサラダ。
リンゴを手の中で小さく切って、胡桃を砕き、エメンタル
だったかのフロマージュも小さく切って、まぜるだけ。
他にオリーブオイルあたりを混ぜていたか??記憶が定か
ではないですが、とにかく、まな板なし、カッティングボード
なしで切っていて、私にとっては、大げさに言うなら、衝撃
の異文化との出会いでした。

「お料理、まな板と包丁なしで作るんだ!」

確かに、BHVあたりに行けば、日本風らしい包丁(ご丁寧
にアヤシイ漢字の名前がついていることが多い)があり、
それなりのお値段(他と比べるとそこまで高くもないが、
品質からすると日本より高い)で売られています。他に、
ヨーロッパの包丁もある。
でも、スーパーではペティナイフだけ。

私は、日本から包丁を持って行った記憶があるのですが。。。
結局、一人暮らしのときはナイフで十分。使ってみれば、
手の中で切るのもそんなに苦でなくなり、、、気づけば、
包丁を使うのに、野菜を細かく切ることも殆ど無くなって
いたので、日本に戻ってから、包丁を使うのが下手に
なっていることに愕然としました;
お魚はさばいていたものの、あちらのお料理で野菜を切る
ときは、せいぜい、皮をむいて適当な大きさに切ることくらい。
千切り、細切り・・・昔は早かったのに、今だに早さが戻らず。
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それから・・・
これが1番ではと思うのですが、やはり「自分」の立ち位置
が全然違うこと。
時間がかかることと、どう関係あるのか??
と思われるかもしれませんが、やはりフランスでの生活は
自分の根っこがどこにあるのか??フラフラと漂っているよう
な感覚で。
生活自体も、社会的活動をしていなかったせいもあります
が、周りはバカンスを楽しみとして、働いているママさんが
ほとんど、フランス人は家族と昔からの友人を大事にして
いるので、それを中心にしてみんなしっかり生活していた
のに比べ、私達家族は遅れてバカンスをとり、お休みの
誰もいない公園で息子を遊ばせていたこともしばしば。
前からのお友達たちはほとんど日本に帰り、子供がいる
友達とは時間的・距離的なこともあり、なかなか会えず。
新しくお友達になっても、ほんの時々お休みに会うか、幼稚園
の後に子供を遊ばせるくらい。
何より、そういう交流に意欲をかけるほどの余力がなかった
なあ〜。日々の生活で、小さな小さな心をふさがれるような
出来事に対応して、自分の心を安定させ、普通の生活を
ちゃんとして、家族に負担をかけないように・・・ということで
一杯一杯でした。

日本と違って、交通機関もストに時間遅れ、果ては理由の
分からないことで機能がマヒすることもしょっ中だったフランス。
宅配・水道やその他の故障の修理、書類のこと、期日とか
所定の時間はあってないようなもの。
でかける用事も、一日掛け持ちは気持ちの余裕がないと
なかなかでした。



日本に帰ってきて、幼稚園、買い物、ご近所、話しかけさえ
すれば、普通に挨拶を返してくれ、答えてくれる。
本当に、不思議な感覚でした。日本語さえ喋れば、普通の
当たり前の人間のように扱われること。
特に、どんな人なのかバックボーンが何も分からないのに、
ちゃんと扱ってもらえること。
自分の気持ちをだいたい思ったような言葉で相手に伝えられ
おおよそ正確な意味合いが相手に届く。
そして、フランスとは比べ物にならない早さでつながりが
できていく。
特に、積極的に活動していた訳ではないけれど、おかげさま
で、少しは社会的な活動もできて、息子の学校にも言語の
壁無くかかわれる。

おそらく、そういうつながりのお付き合いが増えたことも一つ
の「忙しさ」の原因。

そして、約束していても、その人自身、または他の要因(急
なスト、用事の遅延などなど)によって、いつも曖昧ないい
加減さがつきまとっていたフランスと比べ、日本では、まあ
なんと時間や約束に対して、また物事に対して真面目なこと。
もしそれを反古にしたり、するようなハメになった場合も丁寧
かつ迅速なお詫びや訂正があること。
それだけに、こちらもいい加減な対応は許されないなあ〜と
ゆるんだ精神を少しずつ締め上げて、今に至ります。

まあ、元々はそういう社会に生きていた私はいいとしても、
段々日本人に戻って来た私に付き合う夫は、厳しくなる妻に
辟易しているかもしれません・・・
日本人のきっちりしたところが好きな夫なので、大丈夫そう
ですが、きっと、私がフランスでストレスを感じていた反対の
感覚で、この「きっちり、かっちり、正確に責任をきちんともって」
とした習慣に、なんらかの思いを抱えつつあるのでは?と
思ったりもします。
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Commented by Rin at 2016-05-21 06:12 x
包丁、まな板を使わないって、、、びっくりです。フランスといえばおしゃれな食のイメージ。確かに手の上でペティナイフで食材を切るとおしゃれだけど、危なそうなんですけど、、。
子供が小さい頃って、日本にいてもなかなか、一歩が踏み出せなくて、子供と共に二人ぼっちになってしまうこともあるのですが、
それに加え、言葉や文化の違いがあるとさらに大変だったんだろうと思います。

子供が幼稚園から小学校に通う間が親も学校や地域と関わりも多くなるので、今が一番忙しいかも知れませんが、ご自分の時間も大切にしてくださいね。その時期を振り返ると、私は周りに振り回されてしまったなぁと反省することも多いです。

お子さんにもまだ手がかかるでしょうが、成長もとっても楽しみな時ですね。子育て楽しんでくださいね。
日本だけなのかもしれないけど、地域行事、学校行事も役員が回ってくるし、、、。日本ではご主人がカルチャーショックを受けたりされてるかもしれませんね。

国際結婚はいろいろご苦労もあるのだと思いますが、両方の国の良いところを味わえて2倍の楽しみがあり良いですね〜。
Commented by aplusfleurs at 2016-06-02 09:06
Rinさん、コメント頂いていたのに、すっかりお返事遅くなりごめんなさい!5月は子供の行事やボランティア関連で、バタバタでした;
そうそう、包丁まな板、まともに使っているところ、義両親の家、お友達の家でも見たこと無いです。日本のように、きちんとみじん切り縦に線入れてから切る・・・とかやってて、笑われたことありますよ(*0*;)フランスでは家庭科らしきものはなく、ママさんの知り合いが、「お料理教室で習ったのが、便利でよさそう!」という内容を聞いてみたら、日本の小学校の授業で習った初歩でした。。。
色々、親子関係や日本とフランスの文化の違いを肌身に感じる毎日ですが、関わりがあれば、それなりに人間についても学べて、面白いですね。自分の言動に気を付けないといけないこと多いですけれど。

夫は、全くカルチャーショックなしです。フランス人で通してます。ありがたいことに、周りの皆さんが(無理矢理?)受け入れて下さっているようですが、ここも、フランスで異邦人が受ける対応とはまるで違うので、私としては厳しくなってしまう所以です・・・(言葉もさることながら、事情が分からないからといって、容赦はないですから。日本は思いやり、または遠慮の精神で、特に夫のようなタイプには優しいです)

結婚式の時、「違いを楽しみたいです」なんて偉そうに言っていましたが、時とともに色々出てきて、理想と現実のはざまで調整する日々です。子供にフランスと日本の精神をどう伝えるか、日本の型にはめてしまわないように、と気遣う毎日です。

ところで、HP見直していて、ちょっと気になることがあったので、またメールさせて頂きます〜。よろしくお願い致します。
by aplusfleurs | 2016-05-11 14:42 | おまけの話 | Comments(2)

フランスでの生活、お花の話を中心に、のはずが、最近は育児日記に;2009年サンクルーへ引越し、2014年3月夫の転職により日本へ。2010年10月フラワーアレンジメントのフランス国家審査員資格合格♪


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