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フラワーアレンジメントと生け花(2)

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さて、生け花について、前回はいろいろ書いてみました。
いろんな可能性があるのに、どうしてフラワーアレンジメントの勉強をし始めたのか。
第一には、実用性です。

生け花をしていると、花を知っているということで
「二次会のテーブル花をお願い」「プレゼントの花束を作ってほしい」
など、頼まれることがありました。何とかこなしていたものの、
生け花を長く習っていても、花を束ねたこともないし、本格的なアレンジメントを
作ったこともない。前から興味もあったので、きちんと勉強してみよう、と
アレンジメントの学校に通いました。

生け花の知識は家では改まった行事(お正月など)のとき、習い事ではお茶のとき
に必要かもしれません。でも、現代の家に必ず床の間が必ずあるか?大きな水盤を
おける場所が確保できるのか?
年に1回出会うか出会わないかという花材、なかなか手に入らない花材でしか作れない型があり、この先何十年かかっても行き着かないかもしれない・・・
自分自身生け花を好きで習っていましたが、どこかで限界も感じていました。

アレンジメントは、プレゼントする・家に飾るということが(練習は必要ですが)
でき、実用的。そして、選択肢が広い。
今まで生け花では決められた型に入れること自体が難しく、自分の判断では?な
ことも多かったのが、アレンジメントでは花材・色合わせ・型など、自由にできる。
もともと、自分の個性が表現できる何かが欲しかった私は、どんどんそこにのめり
こんでいきました。

よく、日本で取り上げられるのは、フランスのお花屋さんの花です。
フレンチスタイル
と見出しがでてますが、フラワーアレンジメントのレッスンの花と、花屋さんの花は
違います。習う花と、売る花の違いです。(日本でも同じでしょう)

ただ、日本のアレンジブームを考えると(これは、戦後すでに生け花が花嫁修行として
若い女性に受け入れられていた土台があると思いますが)、フランスでは
お花を習う
という習慣はない、と言えると思います。フラワーアレンジメントの学校は増えて
きていますが、実はフランス人向けというより日本人向けが主体だったりします。
こちらの学校は、「花屋さんになる」など、植物のエキスパートになるための
職業学校が主です。ただ「楽しみで」「花の先生になるために」という日本のような
感覚はごく一部の人だけのようです。
(これは、2年間フランスに滞在し、その後6年にわたって試験を受けに年に1〜2回
 渡仏を続けた中で得た知識からです)

ただ、日本人に比べ、花を贈る習慣が男女ともに浸透していること、が街角に
花屋さんが溢れる理由のひとつだと思われます。花屋さんで見習い(スタージュ)した
ときも、abonnement(アボンヌモン)という、お家に週に1回お花を飾りにいく
形態がありオーナーに同行しましたが、一軒家であれ、アパートであれ、かなりの
お金持ちであることは花を飾る部屋数、お家の大きさから一目瞭然でした。
(アボンヌモンは、レストラン・ブティックにもします)
日本でも同じサービスはあるのかもしれませんが、ごく稀ではないでしょうか。
生活階級の差、というのを肌で感じたものです。

私の習ったフレンチスタイルというのは、そういう花屋さんの花と違って、
花器またはモンタージュ(アレンジの基礎をつくるもの)に構築する、立体的な
アレンジでした。
クラシックスタイルは決まった型があり、モダンスタイルは創造性に重点をおいた、
自由な型です。
生け花は自然の姿を大事にしますが、アレンジメントは自分の思い通りに葉を
まげ、折り、または割いて。。花も茎を曲げるために水からあげてしんなりさせたり。
フレッシュな花とドライにした葉を組み合わせたり。
一見生け花と対比するようなやり方なのに、最終的に花材の美しさを際立たせると
いう点では、圧倒的なインパクトがあります。

型がないのに、まとまっている。
どんな素材を使っても、アレンジとしての表現力があること。

生け花とアレンジメントは、型や表現の根本的な違いだけでなく、それぞれの国の
花材の種類・大きさの違いにもよります。生け花では大きく、丈夫であることより
風情・情緒を大事にします。フランスで見た生け花の展覧会で、どこか違ったのは、
盛りすぎてるような感じであったり、いかにも入れた、という意識が感じられ、
日本人としての精神に沿わなかったからかな?と思っています。
(海外出張される生け花の教授は、自分で庭などから花材を調達されていました)
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前にも書きましたが、多くのフランス人はつぼみよりさかりの花をきれいと感じます。
日本人はつぼみから開きかけの花を美しいと思います。
木と紙でできた家と、石でできたアパート。
パンとごはんの生活習慣。
現代になって、いろんな情報が入って、たいていどこへでも旅行できてしまう時代
でも、長年つちかった生活と歴史はしっかり血の中に入っています。
好みの傾向も、自分の独自の、というより目に入ってくるもので決まることも
多いでしょう。
どちらが好き・嫌いというより、そのスタイルの根本を知るという視点から考える
ことが、違いを知るヒントになるのではないでしょうか。
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by aplusfleurs | 2008-04-07 06:41 | フラワーアレンジメント | Comments(10)